作:霧山咲
「ただいま」 誰に聞かせる訳でもないが、玄関に入ってすぐそう呟いて靴を脱ぐ。家の中には誰もいないようだ。まだ四時半だということを考えれば不思議な事でもない。父は仕事で帰りが遅いだろうし、妹は学校。母は夕飯の買い物にでも行ったか。 しかしこん…
「ただいま」 誰に聞かせる訳でもないが、玄関に入ってすぐそう呟いて靴を脱ぐ。家の中には誰もいないようだ。まだ四時半だということを考えれば不思議な事でもない。父は仕事で帰りが遅いだろうし、妹は学校。母は夕飯の買い物にでも行ったか。 しかしこん…