この前、友達と海釣りに出掛けた。 母が用心に用心をするようにと、ライフジャケットの着用を強要された。 確かに、それがあってよかったかもしれない。 堤防の方が、全然空いてなかったので、磯まで行った。 磯の方では、釣りにいかにも慣れてそうな人もい…
「私が退院した時、隣で泣いてくれてありがとう」 彼女が渡した手紙の、その最初の一文を読んで、ひどく胸が打ちつけられるのは、多分僕だけだ。 「おーい佐藤」聞いたことのあるその声に反応して、僕は振り返った。「なんだ、今日も来やがったか」「来やが…
「その日が来るまで、ただの普通の人間を演じきること」 彼は、それを忠実に守り続けながら、ある夏の日を迎えた。 隣の芝は青い、という言葉が一番当てはまると感じているのは、まさに今であろう。更に詳しく言うならば、週に二、三回。家の話ではなく、学…
子どもにつける名前の質が問われているこの世の中。光る宇宙で「ピカチュウ」、泡の姫で「アリエル」などと名付ける、頭のネジをいくらか母の体内に置いてきたやつらが一定数存在する。彼らの思考は理解ができなかった。 だが、そこまで異常とは言わなくても…
こんにちは。はじめまして。 このサイトは、都立武蔵高校文芸部の部員たちが生み出した作品を掲載するサイトです。 文芸部が永続する限り、このサイトも永遠に完成することがないでしょう。 拙い部分もありますが、ご了承ください。 3代目部長 どらいのいん